ウサギさんとお花のお話し
ウサギはある日、野に咲く1つの花を見つけたんだ。
それはまだまだ弱々しくて、ちょっとした雨や風でも茎が折れてしまいそうなほど。
だからウサギは雨の日は、必死になって雨の強さでお花が折れてしまわないように
守ってあげた。
どんなに自分が濡れてしまおうが、ウサギはそんなことへっちゃらだったんだ。
風が強く吹く日は、自分が盾になって吹き飛ばされないように守っていた。
どんなに寒い日でも ウサギはその寒さすら忘れてしまっていた。
太陽の光を沢山浴びてね。
栄養はたりているのかな?
土は固すぎないかな?
ウサギは毎日、毎日 お花のそばに座って見守っていたんだ。
それがウサギにとって幸せだったから。。
お花はそれをいつも見ていた。
ありがとうって伝えたかった。
でもお花はウサギに言葉で伝えることが出来なかった。
とても暖かい春の日、ウサギさんのためにお花は一生懸命 その花びらを広げた。
それはどんなお花よりも美しく、とても生き生きとしていた。
うさぎはとても暖かい何かをお花さんから受け取った。
ありがとう。ぽかぽかしてふわふわして心地よい風みたいだった。
でも、お花はその翌日にきれいな花びらを全て落としてしまった。
うさぎはどうしていいかわからなかった。。
もうどんなにお花を守ろうとしても、お花はどんどんどんどん弱っていく
そのうちお花は姿すらなくなってしまった。。
それでもうさぎは、いつまでもいつまでも同じ場所に腰掛けていた。
いつの間にか、景色はブルーになって、そして赤くなり 白くなっていった
ぽかぽか陽気の春がやってきた。それはあの日みたいだった
うさぎさんの目から、きれいな透明の雫がぽたりと落ちたとき
そこには小さな双葉が目を出していた。
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人を愛するという気持ちは
きっと見返りを求めては居ない
そういう人の愛し方を私はしたいと願った時に出来た作品
人はわがままで欲張りだから、とても難しかったりするけれど
でもそんな風に誰かを愛したい。
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